翻訳は言葉を置き換える作業、ローカライズは体験全体を整えること。
留学生として日本に来たとき、翻訳された文章はあっても「読んでもわからない」ことがよくありました。言葉は日本語なのに、文脈や文化の違いで理解できない。その経験から、私は「言語の壁」を取り除くことを仕事にしています。
英語/日本語/オランダ語で意識していること
1. 読みやすさ: 文章を短く、落ち着いたトーンでまとめる
情報がごちゃごちゃしていると、使う人は諦めてしまいます。必要な情報だけを、迷わず届ける構成にします。
2. 文体と敬語: 文脈に合ったレジスターを選ぶ
学校書類、UI、ヘルプテキスト、公式文書など、読む人と場面に応じて適切な表現を使い分けます。
3. 制約を守る: UI文字数やレイアウト崩れを起こさない
ボタンやラベルの文字数制限、改行の余地を考慮。デザインと言語を同時に調整します。
4. 用語の統一: ページやPDFをまたいでも表記を揃える
複数のドキュメントで用語がバラバラだと、読む人は混乱します。一貫性を保つための用語集を作ります。
5. 人の目で確認: 音読して違和感を取り除く
AIツールは便利ですが、最終チェックは必ず人の手で。文化的なニュアンスや自然な表現は、人間にしか判断できません。
何が変わるのか(具体例)
- 例1:ボタン “Submit”
- 直訳:提出
- ローカライズ:登録 / 送信(文脈次第)
- 例2:ヘルプテキスト(長い説明)
- 直訳:そのまま翻訳
- ローカライズ:短く要点化し、動詞を行動に近づける(例:「〜してください」→「〜する」)
- 例3:公式文書の表現
- 直訳:直訳的で硬い表現
- ローカライズ:丁寧で明確、あいまいさを避ける(必要に応じて注釈や補足を追加)
ツールと現実的な進め方
シンプルなツールを使い、最終チェックは必ず人の手で行います。ウェブサイトでは構造の段階からローカライズを織り込み、コンテンツがレイアウトとぶつからないように設計します。
迷ったときの判断基準
「翻訳」と「ローカライズ」のどちらが必要か迷ったときは、読者と環境を考えること。
- 誰が読むのか?(パソコンが苦手な人、外国人、専門家)
- どこで読むのか?(スマホ、業務システム、公式文書)
- 何をしてもらいたいのか?(申込、理解、手続き)
それが調整の深さを決めます。
「言語の壁」を取り除き、使う人が迷わず理解できる形に。それが私のローカライズです。